044:ダンス

[15182]田丸まひるさん

指だけをからめるダンスしあわせは耳をぼんやりさせるのですね

とても幸福な気分になる歌です。
「指だけをからめるダンス」とは、実際のダンスではなく、恋人たちが指をからめて手を繋いでいる仕草を指しているのかもしれません。
しかし、恋するふたりにとって、それはどんな熱いダンスよりも濃密なコミュニケーションなのでしょう。
「耳をぼんやりさせる」とは、幸福感と同時に、恋愛当事者の自己完結的な一面をも感じさせる、巧い表現だと思います。

 

[14165]紅茶さん

喜びのダンスのように木漏れ日を踏んで進んだ、見上げて止まった。

映像がフラッシュバックしていくようなイメージ。
「踏む」「進む」「見上げる」「止まる」
動詞の連続によって、瞬間瞬間の鮮やかさが再現されています。
ひとりであろうと、ふたりであろうと、「喜びのダンス」は幸せで豊かなものでしょう。
しかし、最後「止まった」で終わることによって、ふと木漏れ日の影が濃くなったような、 そんな不安な感じが漂っているようにも感じられます。

 

[8315]杉山理紀さん

その先へ指をのばしてもっともっとそれがダンスと言われて もっと

私自身、社交ダンスを踊っているので、「それがダンス」という主張に大きくうなずきました。
自分が思っているよりも、もっと先へ、あと10cm先へ、あと5cm…
実際にレッスンの場で教えている言葉の通りです。
指先でも、自分の感情でも、膜を破った向こうに行こうとする(なかなか行けないけれど)のが、ダンスなのかもしれません。
結句、一字空けで置かれた「もっと」が、まさにそう言われているように聞こえます。

 

[6486]桐嶋清雅さん

だだっ広いダンスフロアにあの秋のあの人がいそうで泣きそうだ

「あの秋のあの人」 「あ」と「の」の音の重なりに注目しました。
一首の中心も、この言葉なのではないでしょうか。
「だだっ広いダンスフロア」には数多くの人がいるだろうけれど、作中主体の目には誰も映っていない。
いないはずの「あの人」以外は。
今の季節は秋ではないかもしれませんが、ダンスフロアの窓の外は、落ち葉の赤に埋もれているような気がします。

 

[7874]しんくわさん

「とりいそぎダンスをします」 真夜中に女郎蜘蛛よりメールが届く

真夜中と女郎蜘蛛の組み合わせって、とても素敵です。
私は、誰かを女郎蜘蛛をたとえたのではなく、アニメーションや童話の世界のように、 本当に女郎蜘蛛さん(ディズニー映画『ジャイアント・ピーチ』に出てくるような)がメールを送り、 取り急ぎ、ダンスを踊っているのだと読みました。
ダンス・真夜中・女郎蜘蛛・メール…どの単語が欠けても、この歌の不可思議で魅力的な世界を表現することはできないと思います。
「とりいそぎ〜」の台詞もユーモラスで楽しい。
誰かにメールでわざわざ教えるということは、このダンスは自分(女郎蜘蛛)のためのものではなく、その誰かのため?
人のために踊るダンスには何か祈りが込められているのでしょうか。

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