blue bird 01

その頃、私は彼のことを「太陽くん」と呼んでいた。
彼は私のことを「感謝ちゃん」と呼んでいた。
彼の本名がなんというのか、その頃も今も、私は知らないままだ。
聞いたことがないのだと思う。


太陽くんは、ほんとうに、太陽のように輝いた男の子だった。
いつも短パンを履いていて、いつもきれいで清潔な、青色か黄色のシャツを着ていた。
走るのが速かった。
四葉のクローバーを見つけるのも速かったし、私が教えたフラフープをマスターするのも早かった。
私たちは毎日いっしょに遊んだ。
きらきら輝く太陽くんは、きらきら輝く夕日を見ていた。
そうしていつの間にか、彼はいなくなっていた。
本当に、現実にいた人だったのか。
もしかしたら、仮想の友達をつくっていたのかと思ったりもする。
なんで「感謝ちゃん」なんて呼ばれていたのかも、わからなくなってしまったし。

クローバー摘みをしましょう善意しか知らない人になるおまじない


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