blue bird 09

ぐるぐるぐるぐる。
私は過去の日々を、頭の中のチェストから取り出そうとしている。
籐でできた、古びた白いチェスト。


彼がもう一歩、私に近づいて、小さな声で言った。
「感謝ちゃん」
ああ、籐のチェストは驚くほどのスピードでいくつかの抽斗を吐き出して、幼い頃の記憶を見つけてくれた。
シロツメクサの白も、四葉のクローバーも、ピンク色のうさぎの絵が描かれたシャベルも、少年の青いシャツと黄色いシャツも。


私はすっかりうれしくなっていた。
「太陽くん」
彼の声よりも、少しだけ大きな声でつぶやいた。
周りの誰もが(チカも西野くんも)まったく状況が飲み込めない、という顔で立っていた。
「太陽のように輝く少年」は、きらきら金色に輝くことはなく、 しかし生気の感じられるリアルな存在として、やっぱり真っ直ぐ立っていた。

粉々になったチョークと夕焼けを交互に見ては確かめていた


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