blue bird 15

夏。海沿いのビル街。
私は太陽くんと花火を見に来ている。
毎年、この街で開かれる花火大会。
私はもうすっかり記憶になかったけれど、太陽くんと私は、前にもいっしょに見にきたことがあるそうだ。
太陽くんは、なんだって覚えている。
そうでもないよ、と彼は笑って言ったけど、私には奇妙な、でも強い確信が生まれていた。
今のこの夜のことも、彼はきっと忘れないでいる。
その確信は花火を見ている間中、私を何度も安心させた。


青い花火の欠片がバリバリと音を立てながら、次々と闇に消えていく。
「大輪の花火もいいけれど、合間に放たれる小ぶりなのが好きなんだ」
太陽くんの横顔を見た。きれいな形の鼻梁を。
幼い頃の私たちも同じ話をしたのだろうか。
そのときも、今日の私たちのように、手を繋いでいたのだろうか。
私の頭の中のチェストは、白くて落ち着いているけれど、ほんとうに役に立たない。

あさがおは夜に咲いてはなりませんわたしは爪を青く塗らない


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