blue bird 25

「ううん、知らないと思う。でも同じ大学の人」
もっとも、4年生の修くんはもうほとんど大学には出ていないけれど。
そしてまた、沈黙。
私はいたたまれず、カフェのガラス窓の外を見た。
どんよりとした曇り空。
車の走っていく音がやけに大きく聞こえる。


「俺はまだ理宇子のことが好きだ」
黄色いバスが赤茶色の建物の前を過ぎていく様子を目で追っているとき、修くんが言った。
「どうしても、終わりなのか」
私は黙ってうなずいてから、
「借りてた本、近いうちに郵送するね」
と言った。
修くんは本当に悲しそうな顔をして、そんなこと言うなよ、と本当に悲しそうな、でも少し笑っているような声を出した。
修くんの歪んだ表情を見るのは初めてだった。
喉がひどくヒリヒリする。

雨が降る 裏切られたと思うほど許されてなどいなかったのだ


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