blue bird 30

美樹からメールが来た。
新しい恋人ができたという報告だった。
その5日後、双葉からメールが来た。
取り乱したことへの謝罪が簡潔に書かれていた。


大学からの帰り道。
まだ昼の明るさが貼りついた街を、ほのかな街灯が照らし始める。
僕は今、感謝ちゃんの名前の由来を聞いている。
「シャとチャの響きが好きだったんだよ、きっと。
だって今の私はそうだもん」
彼女は隣で歩きながら、大げさに胸を張る。
「感謝ってとても、いい言葉だと思う」
自信をたっぷり込めた声で小さくうなる。
その横顔がやっぱり真剣で、僕は思わず彼女の頭を撫でてしまった。
彼女は少し驚いたような顔で僕を見上げ、そして柔らかく微笑んだ。


僕らは手を繋ぎ、また歩き出した。
感謝ちゃんが小さな声で、歌をうたっている。

うつくしい青い小鳥を肩に乗せおとぎ話のつづきを歌う


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