2011

あの人の歌にはとても美しい森がありけり冬の終わりの

少しずつ深化してゆくさよならであったか霙に萎れるメール

なぜきみは僕の背中に音階を残すのだろうさよなら朝日

深皿にコーンフレーク念入りに溺死さすごと匙で沈める

昨夜のうちにたまりし疑念のろろろろとヨーグルトへと垂らす蜂蜜

すむすむと雪が被さるベランダで今日の終わりを見送っている

わたくしの憤怒のなかにあの人を深く沈めるうるわしい夜

忘れても忘れられてもこれ以上ゆかれぬ淵におり 春の霜

そうですか 昨日の嘘をふちどった鉤括弧からしみだすぬめり

満遍なくあなたの嘘を受け容れてぬるく明るい朝を迎える

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