05月号

袖口の擦り切れし薄いセーターで(地獄のごとし)湯を沸かすひと

ぼろぼろの文庫本を恋人のごとく抱き締め裸足で庭へ

朝靄に従兄は虚の水槽を五臓六腑に隠し持つらし
                   虚(ルビ:から)

なんらかの乾きし骨を拾えりと微笑む従兄の深爪の肉

竹薮の奥からでしょう飼い犬が**の***をくわえ戻りぬ

靴下のかかとに獣の横顔のような穴開き外には嵐

見慣れない子どもに杏のジャムパンを星へと還る前に手早く

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