06月号

水底に春は届かず手品師は群青色の目隠しをされ

幾万の次から次へと噴き上がり夜空に溶けてゆく錦鯉

うずくまる講談師のいて蝙蝠や苔や木霊のいて洞のなか

ぐっすりと夜に覆われ野犬らの体臭つよく重なり合いぬ

あみたくじで引かれし町へ霧雨を次の町へは御先祖様を

雨上がり きらめく羽虫がさようなら占星術師のテントを塞ぐ

さようならその子音たち母音たち舌にのせればみんなふるえて

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