08月号

木槿という名札を付けられ立っており前世のわたしの初恋のひと

柔らかな文字であるからなやむやふ特にカーブは水囲うごと

夕闇をゆふやみと言うひとのいて金木犀を引き連れて来る

旧友が微笑みそこにいるようで濃霧の向こうへ手を差し伸べぬ

のろのろと梱包を解き記憶という何やらぬるいものを取り出す

たましいの厚みでしょうか抽斗にかさばる麻のサマーセーター

草臥れしシャツに小象はかすれおり夏の終わりとともに捨てたり

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